妊娠すると体調がすぐれない日が増えませんか。つわりを始め様々な不調があるのに、薬が飲めないからどうにか日々対処するしかなくて、妊娠中は想像以上に大変ですよね。
今回はその中で骨盤周りの痛み「腰痛、恥骨痛、坐骨神経痛」に着目します。今まで痛みを起こしたことがなくても、突然やってきて生活に支障をきたす痛み。そして出産を終えるまで痛みが続くことが多いです。
どうして痛みが起きるのか、メカニズム、先生が骨盤ベルト推す理由など解説します。仕組みがわかると、自身での対策もしやすく安心にも繋がります。少しでも違和感がある方は、ぜひ目を通してもらえたら今日から対策できますよ。
◎私について
ライターの「ゆう」といいます。
30代前半、2児のママの理学療法士です。
10年近く現役で働いており、整形・脳血管・内部疾患など様々な領域のリハビリをしています。20~50代と若い世代に関わる機会が多く、若くして体に困っている方とも入院~外来までサポートしてきました。現在も時短勤務でリハビリしています☺️
妊娠中の腰痛や坐骨神経痛はなぜ起こる?
まず初めに骨盤について簡単にお話しします。骨盤とは寛骨・腸骨・仙骨といくつかの骨が靭帯によってつながり円形になっています。
骨盤についている靭帯は普段の生活において動くことはなく、支えることに重視された靭帯です。骨盤が緩むことは骨折で靭帯を痛めたりしない限りはあり得ません。

骨盤の歪みは、骨盤全体が回旋したり斜めになってしまうことで、靭帯や骨ではなく周囲の筋や姿勢が原因です。
しかし妊娠・出産ではその常識が覆ります。
ホルモンによって骨盤が開く!
妊娠すると、産道を赤ちゃんが通るために10ヶ月かけて靭帯が緩み、骨盤が開きます。
これは「リラキシン」というホルモンの影響で起きます。10ヶ月かけるのは、それほど普段動くことはなく、骨盤全体は1〜1.5cm、恥骨結合は4cm開きます。その数cmのために、10ヶ月の時間を要するのです。それゆえに骨盤に関わる背骨・恥骨などは負担がかかりやすく痛みを引き越しやすいです。
また恥骨の隣は坐骨があり、太い坐骨神経・坐骨動静脈が通ります。内臓の位置変化や骨盤が開き不安定になることで、神経が圧迫されやすくなり、坐骨神経痛を引き起こすこともあるのです。
お腹が大きくなると支えるのは大変
妊娠すると、子宮は赤ちゃんの成長に合わせて赤ちゃん以上の大きさへと変わります。身体の中で内臓が動き、身体の余白に子宮が収まるように日々変化します。その中で背中は、背骨があり大きくすることができません。そのため、お腹に負担がかかるようになります。そこから徐々に重くなり、膣から生まれるため下腹部に重みがかかるようになります。


必然とお腹がでっぱるようになり、それによって前方に倒れやすくなります。前に転ぶのは、妊娠中最も恐ろしい出来事です。。
しかし人間はかしこく、無意識にバランスをとります。
お腹の重みを背部の特に腰当たりの筋肉で支えます。また腹部がでた分頭部を後ろに置き、重心を足の裏にいくようにバランス修正します。
これは人間に備わった姿勢制御の働きです。しかし本来あるべき位置から逸脱するため、身体への負荷も大きくなります。その代償が腰にくるため、妊娠中は腰痛になりやすいのです。

まとめると
①ホルモンにより骨盤が開き、骨盤周囲が不安定になること
②子宮が大きくなり、骨盤への負担が増すこと
③子宮に合わせて姿勢制御が変化し、腰など他の部位に負荷をかけること
これによって腰痛・恥骨痛・坐骨神経痛は生じるのです。
妊娠中の腰痛→予防・対処
問題はどうしたらいいかですよね。できることなら痛みなく妊娠生活を送りたいからこそ、ここからが大切です。
ホルモンに対しては正直、出産準備のために起きている現象なので、どうすることもできません(泣)。
自身でできる対策としては③の子宮に合わせて姿勢制御が変化し、腰など他の部位に負荷をかけることに対しての対処法です。
しかし妊娠の体は人それぞれです。効果がある人もいれば微妙な方もいます。切迫疑いがある場合やハイリスク出産の場合は、一度主治医に相談した上で行うことを推奨します。
予防①骨盤をまっすぐ立ててみよう
骨盤をたてる?ってなりますよね。普段から座ると骨盤は後ろに傾きやすく、立つときに戻ります。綺麗な姿勢を目指す人ほど、骨盤は前後に倒れることなく真っ直ぐに立っています。
しかし、妊娠するとお腹に重みがいくことで、自然と体が前に引っ張られ、骨盤が前に倒れてきます。こうなると、骨盤に繋がる背骨(腰椎)が湾曲し、腰の負担が増えて痛みを起こします。
しかし、妊娠中でお腹がでてしまうのを止めるのは不可能です。だからこそ、お腹ではなく骨盤に目をつけて欲しいのです。

骨盤を立てるには、インナーマッスルを使います。腹筋の奥にある体を支える体幹・骨盤底筋群です。これらが作用することで、骨盤やその周囲の関節・内臓が安定します。
もし腰が辛いな、違和感あるなと感じたら試してみてください。
予防②骨盤ベルトを使う

骨盤ベルトとは、骨盤が開いて安定感がなくなるのを、代わりに支えてくれる物です。
「コルセット」というのを聞いたことあるでしょうか。体の弱っている筋や骨をベルトで補強して、腰痛や骨折の負担を減らします。骨盤ベルトも同じ要領で、骨盤が開くことで支えていたものがなくなるのを、ベルトで補強する構造です。
ベルトの有無は人によって意見が変わります。いらないと言う人もいますし、私自身痛みや違和感がない場合はいらないと考えます。
なぜ、とりあえず着けておくことがよくないかというと、依存性があるからです。
長い期間着けていると、人によっては「ないと不安」になり、違和感がなくなっても外せなくなります。筋は休み続けると衰えます。コルセットでサポートし続けるとその分、骨盤底筋群は体幹筋は休み続け、衰えてしまうのです。

対策しても痛みが出てしまう
妊娠中は他にもマイナートラブルが起きやすく何が起きるかわかりません。そのためいくら準備しても痛みが生じることもあります。
実際に私は、坐骨神経痛と恥骨痛がありました。恥骨痛に関しては妊娠中期から始まり出産後数日まで続きました。痛くない時期もありましたが、1度痛み出すと、片足を引きずっていないと動けないレベルでした。
要因や対策は知っていても、どうにもできませんでした。しかし私の場合、何があると楽になるのか、なぜ起きているのかがわかっていたので、つらいものの恐怖心はありませんでした。
痛みを完全に除くことは難しいです。しかし痛み=怖い→だから動かないことは、妊娠中だけでなく、出産後の生活にも大きく影響します。だからこそ、痛みを和らげるための工夫が必要です。
痛みがでたら、どんな状況でも主治医には伝えよう
妊娠中のトラブルは、自己解決せず基本は些細なことでも主治医や助産師さんと共有しましょう。腰痛1つでも病気が潜んでいる場合があります。
そのためにも、産婦人科の先生に確認して、必要によっては今の自分に合った薬や、としている対処法があったら一声かけましょう。
【おすすめ】ストレッチと体操
妊娠中に意識してほしいのは、骨盤を支える筋です。今回はその中でも骨盤と足をつなげる、お尻の筋肉と太ももの筋肉に着目しました。
痛みの原因に多いのは、
①お腹が大きくなるとともに、使う筋が限定され負担になっていく。
②筋が不動になり固まっていき、それが神経などを圧迫する。
そのため、まずは筋肉を和らげること、その上で運動して使いやすくすることを目的に提案します。
骨盤周りのストレッチ
(1)太もも裏(ハムストリングス)、内転筋


お尻と腰の筋トレ


今回は軽めの紹介になります。もし妊娠時期や産後を意識した運動など、運動やストレッチメインで知りたい!って方は今後発信する、他の記事をみてほしいです!(ニコッ)
おわりに
妊娠するとマイナートラブルが起きてしまうのはもう必然です。大事なことは原因と対処を考えること。1人で我慢することは、本当につらいです。妊娠中からできる体操は、痛み予防もありますが、出産や産後の体への準備にもなります。ぜひ、簡単でやりやすいものだけでもやってみましょう。

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